【フェンシング】全日本学生選手権(5日目) 男子エペ、女子サーブル共に団体戦ベスト8で姿を消す
全日本学生フェンシング選手権大会
11月11日(月)~15日(金)
駒沢屋内球技場
5日間に及ぶ全日本学生選手権(以下、インカレ)の最後を締めくくるのは、男子エペ団体と女子サーブル団体。今季タイトルなしの種目のため、インカレでの巻き返しに期待を集めたが、結果は厳しいものとなってしまった。
団体戦結果
種目 | 出場選手名 | 試合詳細 | 成績 |
---|---|---|---|
男子エペ | 鈴木理来、吉田玲、富沢卓也、加藤祥、吉沢有紀、藤倉陸 | 1回戦 ○法大45-33中京大 準々決勝 ●法大41-44中大 | ベスト8 |
女子サーブル | 木村毬乃、久良知美帆、栗本ひかる | 1回戦 ○法大45-42同大 準々決勝●24-45 | 〃 |
戦評
男子エペ団体
今季、優勝を手にしていない男子エペ。インカレでのタイトル獲得を目指した。
初戦の相手は中京大。吉沢有紀(文3)と吉田玲(文4)で10-6とリードを作ると、ここで4年間で団体戦初出場の富沢卓也(営4)がピストに上がる。着実に得点を決めていくと、13-7と点差を広げ仲間につなげた。その後、富沢に代わり加藤祥(営3)が出場。相手に流れを渡すことなく、最後は吉田玲が45点目を奪い、危なげなく初戦を突破する。
中大との対戦となった準々決勝。1番手を任されたのは、個人戦でベスト4に進出した藤倉陸(社2)。1-1でバトンを渡すが、続く吉沢が5-3とリードを許す。一時、同点に追いつくも再び逆転されてしまう。藤倉に代わり、鈴木理来(文4)が出場するも得点が奪えない。次の吉田玲が連続ポイントで勝ち越すも、団体戦エース格の吉沢の調子が上がらず、またもリードされる展開に。2点を追いかける状況で試合は最終セットに突入。昨年からアンカーを務める鈴木が、粘りを見せるもあと一歩及ばず。まさかのベスト8で姿を消すこととなった。
昨年は、全日本で準優勝に輝くなど躍進を遂げた男子エペ。メンバーが変わらず今年も期待をされたが、リーグ戦、王座決定戦、関カレ、そしてインカレで無冠に終わった。エペ主将を務める吉田玲は「全日本頑張って、笑顔で終わらせたい」と最後の試合に意欲を見せた。
女子サーブル団体
劇的な形で優勝を果たしたフルーレに続きたい女子サーブル。
同大との初戦、木村毬乃(法3)が先陣をきる。勢いよく攻撃を重ね、リードした状態で久良知美帆(法2)につなげる。本職でない種目であり、なかなか得点を奪えず逆転を許すと、続く栗本ひかる(社2)も流れを変えられない。しかし、第5セットに出場した木村が流れを取り返す。6連続ポイントを奪うなど、力強い動きで25-23と逆転に成功。その勢いのまま、栗本も相手に得点を決めさせず、リードを7点に広げる。最後は、点差を縮められるも木村が逃げ切り、45-42で勝利する。
次の、強豪日大との対戦は序盤から10-2と劣勢の展開で試合は進む。前の試合で活躍した木村の場面で流れをつかみたかったが、終始リードを許し45-24と準々決勝敗退となった。
足をけがをしていた木村が団体戦に復帰。まだ万全な状態ではないかもしれないが、チームの核が戻ってきたことは確かだ。今大会の悔しさを、全日本団体戦や来年以降の大会で晴らしてもらいたい。(宮城風子)
試合後の選手のコメント
吉田玲
ー最後のインカレを終えて
悔いはないなという感じですね。最後、残念なことはあったんですけど、エペ個人、団体とか。でも、フルーレは目標だった(個人)ベスト8、団体も日大に勝って良かったです。
ーでは、満足した結果や内容だったということですか
そうですね。負けても、勝った人たちを応援できたので、負けたから自分らショックですけど、勝った人たちは喜んでいて、それを見て4年生で最後だし楽しかったなと。全然悔いはないですね。
フルーレ団体の(準決勝)日大戦かな。王座は勝ちましたけど、関カレではボコボコにされて、リーグ戦も負けていて、「勝てるわけない」と思っていた相手で、こっちは主力メンバーが一人いなくて。それでも、チーム全体で勝ちたい気持ちが出てて、最後は後輩の長島(徳幸)君が一本取ったときは本当に泣きました。まだ決勝じゃないのに。でも、そこが僕にとって決勝だったので。個人は、日体大の鈴木一平(高校総体個人優勝経験あり)という選手とのベスト8をかけた試合で、今まで一回も勝ったことなくて、今回初めて勝てたのでそれが超嬉しくて!だから悔いがない。どうしても勝ちたい相手に勝てたのは大きいです。
ー(フルーレ団体)決勝では敗れてしまいましたが、力を出し切れたということですね
決勝で負けたインカレというよりは、準決勝で勝ったインカレという感じですかね。
ーエペ団体を振り返って
力不足かなと思いますね。去年、全日本で2位取れてメンバーも変わってなくて、しかも去年なんか負ける気しなかったんですけど、今年は入る前から「あ~あ」みたいな。負けるんじゃないかなと思った時点で、自分たちのメンタルの弱さだったり、エペ団体はもう1試合勝てるかなとは思っていたんですけど、優勝は難しいかな...という感じだったのでエペ団体においては悔いは残りますね。
どうですかね。やり残したことはたくさんあると思います。3年生のときは当たり前のように勝ってた。でも今年は全然勝てないってなって、なぜかと考えると仲間に頼りきっちゃってて、「誰かが(点を)取るだろう」と。去年はそういう気持ちではなかったですし。チームもベンチも緊張していて良い感じだったんですけど、今年は「誰かが取るだろう」という気持ちを最後まで直せなかったのが、今シーズンの反省かなと思っています。まあ、来年は(優勝)取ってくれます!本当、今年は下のメンバーが悔しい思いをしたと思うので、やってくれると信じています。
ーエペのチームで同級生の鈴木選手はどんな存在でしたか
いつも最後回りをしてくれて。最後回りって一番きついんですけど、それを引き受けてくれて。僕、エペキャプテンなんですけど名ばかりで、フルーレばかり練習しているので。(鈴木)理来が支えてくれて、何をするにも僕を立ててくれて本当に良い...何ですかね...。良い同期でした(笑)自分も最後回りやって本当に大変だなと分かったので、お疲れ様って言いたいです。
ー全日本に向けて
ベスト8というよく分からない結果で終わっちゃって。僕、終わったとき全然涙流れなかったんですよ。「こんなもんか」っていうのと「やることはやった」という感じで。これで負けるのは単純に弱いなと思って。でも、理来とか吉沢(有紀)や後輩がベンチで泣いてて、何かみんなのために全日本頑張って良い笑顔で終わらせたいな、貢献したいなと強く思いました。
鈴木理来
フォトギャラリー
苦戦する場面も見られた吉沢
最後のインカレを戦い抜いた吉田玲
笑顔でベンチに迎えられる富沢
本格復帰へ状態が上がってきた木村
チームの主力として奮闘した栗本
本職でないサーブルで奮闘した久良知
インカレ閉幕!1年間お疲れ様でした!